今夜君とダンスを

アイドルはいつだって天才だ

YouTubeにおけるTravis Japanのツッコミについて研究してみた

1.はじめに(序論)

人が会話の中で示す反応の一種に「ツッコミ」と言われるものがあり、その言葉の定義は【漫才などでボケに対して指摘や合いの手を挟む事。または、その役割の人、その行為の内容。笑いどころが何処であるか明確にしつつ話を進行する役割を持つ。漫才だけでなく日常でも用いられている語。】とされています。

というのも「Travis Japanってツッコミ不在じゃない?」と極たまに聞かれる時、個人的には本当にそうなのかな?と首をひねってしまう感覚が正直あるのです。確かにトークが散らかったりする事はあるけれど、本当にツッコミが不在なのか?何か明確な結果を持ってして、この主張を覆す事はできないだろうか?今回の研究は、そのような動機から来ています。

 

 

2.研究対象

YouTubeジャニーズJr.チャンネル 木曜更新 Travis Japanの更新動画より「Travis Japan3月21日オープン前に自己紹介」(2018年3月15日公開)から「Travis Japan【珍解答連発】七五三掛の学力テストは衝撃的!」(2020年7月2日公開)までの全動画。 (※グループ横断企画は含みません。)

 


3.集計方法と目的

対象動画で行われている全ての会話の中から、Travis Japanメンバー間で行われているツッコミの回数とその内容をカウント及び記録(ノート35ページ分)しました。誰に対し、どのような方法でツッコんでいるのかをメンバーごとにまとめ、それぞれのツッコミ方法の特徴について考察することでTravis Japanのツッコミの全体像を明らかにする事が目的です。

ツッコミがなされた先の発言や行動については、ボケだけに限らず天然などからくるものも含めており、特段縛りはつけていません。

 


4.結果

集計の結果、Travis Japan間のツッコミ総数は789回でした。それぞれの内訳としては下に示した表(ツッコミ/ツッコまれ回数表)の通りです。

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回数のみに触れると266回とダントツの如恵留くんは、ほぼ全員にバランス良くツッコんでいますが、ちゃかげんしめ3名に対してのツッコミが群を抜いています。次にツッコミ回数が多いのは、松倉くんで127回。これまた対ちゃかげんしめ3名へのツッコミが比重を占めています。続いてちゃかしずが116回と同数で3位。その他元太くんが70回、うみちゃんが61回、しめちゃんが33回という結果になりました。

 


5.考察

今回注目したいのは、そのツッコミ回数だけではありません。回数だけでツッコミそのものの本質を考えてしまうと、ルール説明や進行を担当している如恵留くんが多くなってしまう事は必然だからです。今回は回数だけではなく、どういった種類のツッコミを行なっているのか、その量に加えて質にも着目して考察していきたいと思います。

 

  

1)宮近海斗(ツッコミ総数116回)

「味噌バターコーンラーメンのトーンじゃないわ」

「よくその格好で真面目な事言えるよね」

 
愛ある生粋のエンターテイナー。

相手が決して不快にならない笑いを知っている人です。本来、ツッコミはその間違いやおかしな点を指摘して正させる行為なので、ツッコミを行う人の言い方によっては相手がムッとしてしまったり、雰囲気が悪くなったりする場合もあるとは思うのですが、ちゃかちゃんのツッコミに刺らしきものは一切感じられません。ツッコまれた方も思わず笑ってしまうような、発言にはキレがあるのに愛があるから痛くない。そんなツッコミをする人だなと思います。味噌バターコーンラーメンのトーンって何?どんなトーン?とも思うけど、確かにあの松倉くんが味噌バターコーンラーメンのトーンじゃないことは分かる。


Travis Japanへの独自のおもしろセンサーを搭載しているので、そこにツッコむ姿はまるでおもちゃを見つけた子どものように楽しげです。見ていて気付いたのは、ちゃかちゃんは真顔でツッコむ事が殆どない。大体が笑いながらツッコんでいます。相手に気を遣って優しく笑いながらツッコんでいる訳ではなく、自分がツッコむ事でその場面や相手が盛り上がる所までワンパッケージとして捉えて楽しんでいます。そもそも、普段はしっかり者なのに、しめちゃんを抜いてのこのツッコまれ回数の多さを見ると、ボケたがりでとにかく面白い事が大好きなんだろうなと。立場的に回しを担う事も少なくない中、ボケにもツッコミにも回れる人だからこそ、振れ幅が大きくて突然スッと針が素へ戻る面白さがある。

 
内訳を見ているとちゃかちゃんのセンサーには松倉くんがダントツで引っかかっているようで、約4分の1が松倉くんに対してのツッコミでした。これは非常に興味深いです。

 

 

2)川島如恵留(ツッコミ総数266回)

「お前MCじゃないだろ。散らかす方でしょ」

「どっちの意味?ダブルミーニング?」

「まつげ2000本くらい増量しただろ」 


知識を駆使したツッコミ役。

進行やルール説明を担当しているからこその多さだとも思うのですが、とにかく語彙力や多方面に渡る知識があるからこそのツッコミの幅の広さが如恵留くんの武器です。その知識量からくるツッコミがワンパターンにならず絶妙にうまい。大声で暴走を止める事もできるし、その語彙の多さを持ってして説明で制止させることもできる。相手の間違いや方向性のズレを優しく正してあげる正統派ツッコミ。ただ、ツッコんで切り捨てたり否定するのではなくて、ちゃんと正しい位置に置き直してあげるようなツッコミ方です。例えるなら、スタート地点じゃなくてもう一回コースアウト前地点からやり直させてくれるマリオカートにおけるジュゲムみたいな存在。


しかもボケをツッコミで片付けてハイ終わり!ではなく、そのおかしな点が周囲に伝わっていない場面では、おかしい箇所を何故ツッコミが生じたのか解体して説明をしてくれています。?を残さずにきちんと処理をしているお手本のようなタイプです。

そしてもう一つ、ツッコんでばかりではない所が如恵留くんの面白い所で、51回とそれなりにメンバーからツッコまれている。真面目だからこそ純粋に物事を受けとりすぎて、周りに止められてツッコまれている部分が、しっかりし過ぎな所を中和させてくれて非常に人間らしいです。 
余談ですが、如恵留くんが突然発する関西弁ツッコミがめちゃくちゃ好きなので、どんどんやって欲しい。

 

  

3)七五三掛龍也(ツッコミ総数33回)

「肘みんな一緒じゃない?」

「それは普通ので良いんじゃない?」

 
完全にツッコミではない属性が生み出す奇跡。

このツッコミ総数の少なさからも分かりますが、しめちゃんは基本がツッコまれ属性なのでツッコミ寄りの思考が分かる発言がとても少ないです。非常に天然なので33回あるツッコミも、ボケの意図を理解して発言したものは恐らく少なく、状況的や物理的におかしい事に対しては気付けてツッコんでいるのかな?と。でも良いんです、そこがしめちゃんの愛くるしい所なので…。ちゃかちゃんに搭載されているようなツッコミセンサーがしめちゃんには無いので(そんな所も可愛い)、大体のボケや天然がそのまましめちゃんの前を通り過ぎてしまうのですが、たまたま引っかかるものもあって、それが尚更面白い。

えっ、さっき同じ種類のボケスルーしてたのに!という事も、しめちゃんの中では「今気になったからツッコんだ」のであって何らおかしい事ではないはずです。普段がツッコまれ属性だからこその突然変異というか、偶然生まれたツッコミは普段からツッコんでいる人のそれよりも断然威力があって面白い。溜め込んだ分の一撃、といった感じです。

 
しめちゃんのツッコミ回数が少なすぎてそこまで考察できないのが非常に申し訳ないです。でも!良いんです!しめちゃんはこのままで…!(可愛いので)

※しめちゃんのツッコミ論をさらに考察して下さる方がおられましたらご一報下さい。

 

 

4)吉澤閑也(ツッコミ総数116回)

「今終わったか?食レポ終わったぞ。2秒だった本当に」

「そば飯はもう飯やん」

 
優しいボケ爆弾処理班。

とにかく優しくて気持ちの良いツッコミ。頭の回転がとても早いので、言葉選びのちょっとした指摘なんかも誰よりも早く反応していたりするのがしーくんです。真正面からボケを抱き留めてから処理していて、しーくんがツッコんだ後は状況がスッキリしている事が多い。散らかった部屋が片付けられたような、そんな感覚です。

たまに声を荒げることもありますが、基本が優しくて冷静なので淡々とこなしている感じで、後腐れのないあっさりしたツッコミ。母親が子どもの悪ふざけをいなしてるような、受け流すような。受け皿が相当大きいので包容力がありすぎて、ツッコミっぽく聞こえない所もあります。


それと、視野がめちゃくちゃ広いです。広い空間にメンバーが点在し、それぞれ6人が違うことでボケている状況があるとしても、恐らくそれを片付けられるのってしーくんが一番適正なんじゃないかなと思えます。視覚的聖徳太子

京都舞妓回や減量回でMCをやっていましたが、本当に状況を俯瞰で見ることができる人だと思うので、Comedy Tigerなんだけれども絶対ツッコミも向いている…!と思えてなりません。

 

 

5)中村海人(ツッコミ総数61回)

「ヤバくない?恋心の所からじゃない?」

「ちゃんと最初はやってからボケないと…」 

 
ツッコミ緩急の使い手。

ボソッと小さい声でツッコむ、大声でそのヤバさを指摘する。うみちゃんは類まれなるこの二刀流の使い手です。7人の中で一番、オールラウンダーな印象を受けました。

他のメンバーが、え?どうするコレ?ツッコむ?と流しそうになる小さな疑問でも「コレどうなの?」「おかしくない?」と話題として拾い上げてくれます。しーくん同様、よくその場や人の動きを見ているんだな〜と感じる事が多いです。

 
隣にいる人にしか聞こえないくらいの小さな声でボソッとツッコむからこその面白さって絶対にあると思っていて、視聴者がテレビの前で小さくツッコんでいるような、一番その辺にいる若い人たちの感覚に近いのがうみちゃんなのかなと思っています。分かりやすい「なんでだよ!」「おかしいだろ!」みたいなものではなくて、「これおかしくない?」と笑いながら指摘しているので、また違った面白さがちゃんと存在している。これがまた、ツッコミの多様性を広げてくれているんだなと。


うみちゃんの凄いところは、ツッコミ総数こそ多くないものの、平等に全員にツッコんでいる所です。きちんと全員同じだけどこかにツッコめるというのは、それだけ全員と平等に対等な関係を築いている事の現れかな、と思っています。

 

 

6)松田元太(ツッコミ総数70回)

「何年前だよ、平成に置いてこい」

「イェ〜!じゃねぇだろ」 

 
ツッコミ役のダークホース。

本気で大穴だと思っています。語彙力があまりないことから、どうしてもツッコミ側として認識はされにくいのですが、元太くんはどちらかと言うとツッコミ気質です。言い間違いではありません、ツッコミ気質です。一見ボケを連発するタイプかと思いきや、根が常識人でしっかり者なのでその反動から来るツッコミの鋭さが光ります。ワードセンスも秀逸で、まさに「平成に置いてこい」はそのセンスを十分に示唆するものではないかと。「(言葉のチョイスが)古い」とかではなくて、「一時代前に置いてこい」という所が、うまく言い表せませんがなかなか常人には浮かばないセンスだなと感じます。
特に自分ではなく周りのお兄ちゃんがふざけ始めた時、スッと冷静な場所まで戻る早さが異常。さっきまで一緒になってふざけてたのに…と周りが困惑するくらい、ふざける時とそうでない時の振り幅が大きくて、切り替えがとても早いようでした。


それと7人の中で唯一自分自身にもツッコんでいたのが元太くんでした。おかしな発言をした直後に我に返ったのか「(さっきの発言)どういうこと!?」と自分自身にツッコんでいた事があり、常に自分の発言や相手の発言を反芻しながら会話を進めているのかな〜とも思えます。ボケが目立ちがちですが、しっかりしてます。Travis Japanの末っ子。

 

 

7)松倉海斗(ツッコミ総数127回)

「お前だよ、お前が耐えられるのかよ」

「お前の問題じゃねぇわ」

 
伸び代無限大なマジレスの王。

ツッコミ一言だけを胸に抱いて、身体ごとボケに向かって突進していく愛おしさがあります。松倉くん本人が「ツッコミを覚えたい」「Travis Japanはボケとアホと天然が散乱しててツッコミが足りてない」と話していたことがあって、確かに松倉くん自身はれっきとしたボケ属性なのですが、忘れてはいけないのがツッコミも本当にうまいということ。

松倉くんが率先してツッコむ事によって面白さが間違いなく倍増しているので、どんどんツッコんで欲しいなと思っています。


特に対ちゃかちゃんへはその本領を発揮していて、暴走するちゃかちゃんを率先してツッコミで止めていたのは大体松倉くんでした。YouTube開始当初は「◯◯ってなんだよ!」のように相手の発言を反復するツッコミが多かったのが、回数を重ねるにつれてボケに対して「うまい返しだ…!」と感じるツッコミが本当に増えて、松倉くんの伸び代が天井知らずだなと感じています。(特に去年の京都お食事会回から、YouTubeでの思い出を話す場面、ちゃかちゃんの「黒(全身タイツ)着れた事に誇りを持ってる」という発言に対しての、松倉くんの「何そのタイツの階級…」というツッコミで「タイツの階級ってワードが凄い…」と思ったのでした。)

松倉くんはボケもツッコミも自在に操れたら恐らく向かう所敵なしになってしまう。可能性の塊。

 

 

 

以上が7人分のツッコミ論の考察です。

愛あるツッコミのエンターテイナーちゃかちゃん。語彙力のツッコミ師如恵留くん。偶然が奇跡の面白さを生み出すしめちゃん。優しいボケ爆弾処理班しーくん。緩急のツッコミの使い手うみちゃん。ツッコミ役のダークホース元太くん。伸び代天井知らずのマジレス王松倉くん。ツッコミの担い手として、Travis Japan多種多様過ぎませんか。この事から、決してTravis Japanはツッコミ不在ではないと言い切れるし、これだけ色んな立ち位置のツッコミが居たらTravis JapanYouTubeは今後ますます面白くなるに違いない…と実感した次第でした。

 

 

 

 


本日の総評Travis Japanトークは楽しい」

 

 

 

  

 


以上!ご静聴ありがとうございました!