今夜君とダンスを

アイドルはいつだって天才だ

Travis インサイダー Japanが興味深いという話

(ゲーム内容のネタバレを含みますので、これから見る…という方がおられましたら先に動画の確認をお願い致します。)

 

 


先週木曜日にアップされた「Travis Japan【策士は誰だ!?】心理戦で意外な結果に…(https://youtu.be/-njAz89mjXU)」が何回でも見られる面白さなので周囲にすごくオススメしている。このゲーム、ルールが少し複雑なので一見難しく感じる。ゲームメンバーの大部分を占め、クイズの答えとインサイダーの正体を同時に追求しなければいけない【庶民】。クイズの答えを知り、庶民からの質問に「はい」と「いいえ」で答えながら、庶民とともにインサイダーを探す【マスター】。マスター以外に唯一クイズの答えを知りながら、庶民の中で自らの正体を隠し、ゲームの誘導権を握る【インサイダー】

庶民はクイズの答え及びインサイダーの正体を当てることで勝利、マスターはクイズの答えを予め知っている代わりに、庶民とともにインサイダーの正体を当てることで勝利、インサイダーは庶民が答えに辿り着けるように誘導し、なおかつインサイダーとして指名されなかったことで勝利、というのが条件。ゲーム展開は大きく分けて質問場面と推理場面の二つの局面があり、今回はインサイダーの視点からTravis Japanの面々の行動を考えてみます。(以下敬称略失礼します)

 

 

 


第1ゲーム

【クイズの答え:床】

【マスター:宮近、インサイダー:川島】

 
全員がまず様子見の第1ゲーム。この時点でクイズの答えを知ってるのはマスターとインサイダーの2人だけ。ただ、マスターはクイズの答えこそ知っているけどインサイダーが誰かは知らないし(庶民と同条件)、庶民の5人はクイズの答えもインサイダーの正体も分からない状態でのゲームスタート。当たり前ですが一番不利なのは庶民の5人です。

 
開始直後に面白いなと思ったのが、インサイダーである如恵留くんが第1ゲームに相応しいお手本のような回し方をしていたこと。まず、マスターに質問できる順番を「(マスターに)近い順から…」と自然にちゃかちゃんの隣のしめちゃんに誘導したんですよね。この時点で並び順からして、如恵留くんの質問ターンは最後になる。しめちゃんは庶民なので、何のヒントもない状態からクイズの答えを当てていくには、間口の広い質問から始めざるを得ない。見た目には傷のない壁に適当にトンカチをぶつけていくようなものです。「食べ物ですか?」「買おうと思ったら買える?」というストライクゾーンが広い質問が続く中、最後に質問順が回ってきた如恵留くんが「金属ですか?」と質問する。これもうまかった。その直前にしーくんから「固いですか?」という質問が出ていて、その場に庶民として参加していたら「ああ、(固いですか?という)前の質問に乗っかったんだな」「そこから更に質問の間口を狭めたんだな」と思える。インサイダーの役割は「庶民を正解に導く」「自らの正体を当てさせない」事なので、まさに如恵留くんは質問の答えの間口を狭めて庶民を正解に導きながら、自分はインサイダーではなく、前の人の質問に乗っかっただけの庶民ですよという感じを出すのも忘れていなくて凄い。THE インサイダー。

インサイダーは質問順が最初であっても、「庶民を正解に導く」という役割の性質上、当てずっぽうな質問は出来ない。傷のない壁の、どこが薄くて壊れやすいかを知っているからこそ、次の人へのヒントとなるように、その薄い箇所の周囲を絶妙に狙った一発目のトンカチを振り下ろす必要がある。それがかなりの難易度だからこそ、ある程度数発穴の空いた壁が必要で、如恵留くんは自分の質問順が最後に回ってくるようにうまく仕向けたのかなと感じた。直前までゲームの仕組みを説明をしていたので、その質問順の誘導は非常に自然な流れに見えて唸った。

もう一つ、元太くんが「日常的に目にする?」という質問をした時に如恵留くんが「今の結構いい質問だな、きっと」とヒントを口にしていた事。クイズの答えを知らなければ、元太くんのこの質問が「いい質問かどうか」なんて分からないし、仮に日常的に目にするかどうかを知った所で、正解の選択肢は膨大にあるままなので、一見して間口の広い質問に思える。けど、この質問がゲームの鍵を握っているんだと教えて、分かりやすく庶民を誘導している。その後、「世界中どこにでもある?」という、これまたざっくりした質問をして「ちょっと俺分かったかもしんない」と一人正解にたどり着いたような発言をする。私がこの中の庶民だとしたら、正直ここまでの流れで正解を当てられる気はほぼしていないし、「床」と答えを出した時も「インテリアだと思った。フローリングとかそういう系」と、かなり絞った所まで辿り着けている如恵留くんが、同じ情報を持っているだけのただの庶民にしては不自然に映った。

 

今回インサイダーが得点できるのは、自分がクイズに正解した時の1ポイントと、誰からもインサイダーだと当てられなかった時の2ポイントのみ。つまり予め正解を知っているインサイダーは確実に1ポイントを手に入れるチャンスを持っていて、なおかつそこからどうやって更なるポイントを稼ぐかという事が重要になってくる訳だけど、「庶民を正解に導く」という役割に忠実に仕事をしていることで、インサイダーを当てる者が出てくる。初回ゲームのバランスという側面もあるので、如恵留くんは手堅く1ポイントを取りに行くインサイダーだったのかなという印象でした。このゲーム終了時に「分かりやすくやりました」と言っていたけど、まさにインサイダーがやるべき仕事を全部こなしていたように思う。

 

あと、庶民だったのにこのゲームで「窓」という限りなく正解に近い所まで辿り着いていた元太くんは普通にすごい。そういうカンが鋭いのかな。(本能?)

 

 

  

第2ゲーム

【クイズの答え:熱】

【マスター:中村、インサイダー:松倉】

 
このゲームでインサイダーとなった松倉くん、総括で「天才だぁ」と自負していた通り、如恵留くんとは全く違った攻め方でインサイダーとしての役割をこなしている。まず、第1ゲームとほぼ同じ質問をしている点(第1ゲームでは「象徴する色はある?」、第2ゲームでは「特定の色がある?」)。この時点で、松倉くんは庶民にヒントを与える気があんまりないなという事が分かる。クイズの答えが変わってしまっている以上、同じ質問をしてもあまり情報の足しにはならないけど、自分が「答えを知らないから当てずっぽうな質問をした」「第1ゲームと同じく庶民だからとりあえず同じ種類の質問をしてみた」というアピールにはなる。その後も「操れたりする?」と質問して、マスターから「はい」と答えが返ってくると「お〜!」と、「偶然当たった!」というようなリアクションがあって、これがめちゃくちゃ庶民感。当てずっぽうな質問を繰り返して、何とかヒントを得ようとしている姿に見えて仕方ない。インサイダーが完全に正体を庶民の中に隠したまま質問ターンが終了。

そしてこのゲームにおいて松倉くんの勝利を決定付けたのは、偶然にも松松の回答が被ったこと。「熱」というクイズの答えを見た上で、答えに近くない質問を繰り返し、「これ分かったかもしれない!」と「ドローン」というわざと間違えた答えを出したインサイダーの松倉くんと、質問からの情報だけを頼りに「ドローン」に辿り着いた庶民の元太くん。何故…何故意図的に書いた回答と…捻り出した回答が…被るんですか…。(松松だからです。)でもこれが大きかった気がしていて、元太くんは自分が庶民であるから、同じ回答を出した松倉くんの事をインサイダーだとは思わない可能性があるし、それは周りのメンバーも然り。インサイダーと庶民の回答が被ることはまずないだろう、とどこかで感じているからこそ、ここで松松の2人はインサイダーの疑惑対象から消える。さらに松倉くんはあえて答えを間違えたまま演技を続けていて、如恵留くんの「花火」に「あ〜!そっち系ね」とコメントし、マスターのうみちゃんが「熱」という正解を発表した時も、ちゃかちゃんに「操るって(質問が)近かったね」と触れられて「ああ!そういうことね!」と気付いてなかったフリをする。さらに答えを見て「(熱って)範囲広いな〜」と付け加えていて、誰にもインサイダーである事を悟らせる気がない。

でも「熱」という抽象的な答えをピンポイントで当てに行けばインサイダーであることを悟られてしまって終わるので、松倉くんは確実な1ポイントをあえて捨てて、庶民の中に紛れて2ポイントを奪取した。これはこれでインサイダーのうまい点の取り方なのかなと。

完全にインサイダーを見失ったメンバーが、ゲーム中よく喋っていたしめちゃんや、客観視が目立ったちゃかちゃんを疑い始めた時「ちゃかそういうのうまいんだよな〜」と乗っかっていて、自分が庶民であることへのダメ押しというか、そういう自然な発言がとにかくうまかった。
ここまで書いて、このゲームでしめちゃんがインサイダーに「げんた」と書いていることに気付いた。松松の回答が被ったこともそこまで深く捉えていないしめちゃんは、多分勘で書いてる。それもまた一筋縄では行かなくて面白い。

 

 


第3ゲーム

【クイズの答え:目覚まし時計】

【マスター:川島、インサイダー:吉澤】

 
ここでのインサイダーであるしーくんは、マスターへの質問ターンで「大きいですか?」と「Travis Japanに必要ですか?」と発言。第1ゲームでの如恵留くんの「庶民を正解に導く」役割と、第2ゲームでの松倉くんの「自らの正体を当てさせない」役割の両方をやろうとしたんだろうなということが分かる。どちらの質問でもマスターの返しを聞いて「え〜…」と悩んでいて、クイズの正解が分からないが故にざっくりした質問と、攻めた質問をして自分で迷宮に入ってしまった庶民という感じにも見て取れる。ただ回答直前に「Travis Japanに必要なもので考えればいいんだよ」とコメントしたことで名探偵七五三掛センサーが反応したことがインサイダーにとってはまずかったのでは。ここでインサイダーが取れる選択肢は2つ。正解に辿り着けなかった庶民のフリをしてわざと間違えた答えを出す。これで誰にもインサイダーとして指名されなければ2ポイントになる。もう一つは、「Travis Japanに必要なもの」からヒントを得たとして「目覚まし時計」と書いてしまい確実に1ポイントを得る。クイズに正解してしまうことで名探偵の疑惑を確信に変えてしまい、結果1ポイントに終わることも十分考えられたであろうけど、ただここまで疑われていたら無指名で2ポイントを得ることは難しく、しーくんは確実なポイントを狙ったんだろうなと感じました。手堅いインサイダー。ただ、「絶対閑也だ!」「開き直った態度も閑也だ!」としめちゃかに酷く疑われていて、いとしずやでした。


それと、しめんちゅはこのゲームで庶民にいるととてつもなく推理を難航させる人達。クイズに関係ないこと(好きな人いる?)を質問したり、質問の答えを○×だけ書いてマスター(如恵留くん)からインサイダー疑惑をかけられる(クイズの答えを知ってるから他の人の質問を内容までメモする必要がないと思われた)うみちゃんや、今まで質問の答えをメモしていたのに急にメモをやめ、ちゃかちゃんに疑われたら「引っかかったな!」と笑うしめちゃん。本来であれば庶民って、とにかく頑張ってクイズに正解して、インサイダーを当ててポイントを得ていくことでゲームに参加するしかないんですが、それ以外の方法でとにかく場をかき回すしめんちゅ。自由奔放ゆえ周りの思考は撹乱されているし、しめちゃんに至っては「誰かをハメることでポイントを取らせない」という、このゲームに本来なかったはずの庶民の行動をしているので、さらに先が読めなくなる。こういうゲームをする時にめちゃくちゃ面白くなるスパイスを投下している気がします。

 

 

 

第4ゲーム

【クイズの答え:ガラパゴス諸島

【マスター:中村、インサイダー:松田】

 
なんかもうツバ飲み込む音聞こえちゃうし元太くんかわいいね。ガラパゴス諸島知らなかったもんね。

 
ということを踏まえて。4ゲーム目は、これまでの3ゲームでインサイダーを担った3人のような役割が元太くんにはどうしても果たせなかった特例。インサイダーが「クイズの答え(の存在)を知らなかった場合」。大変イレギュラーパターン。答えの単語こそ目にしているものの、それが何か分からない場合、庶民を正解に導くことが出来ない。的を得た質問が出来ないため、ここでインサイダーである元太くんは、とにかく庶民になりすますしかなくなる。ざっくりした質問や、前の人の質問に被せたものを繰り返して、正解を探す庶民の中に紛れていく。クイズの答えが「ガラパゴス諸島」と特殊なものであるからこそ、自分がこれに正解したら確実にインサイダーであることは明白になってしまうから、突然の正解は出せない。確実な1ポイントを捨てて、誰にもインサイダーだとバレないようにして2ポイントを狙う…つもりだったんでしょうが松松の観察眼の前に敗れたり。とにかくこういうゲームが弱すぎる、嘘がつけないインサイダー元太くん。

 
インサイダーゲームのことを調べていたら、このゲームってインサイダーが普段取っているコミュニケーション方法が浮き彫りになりやすいんだそうです。自然な流れで答えへ庶民を誘導しながら自分の正体はうまく気づかせない人、とにかく明言を避けて自分の正体をひた隠す人、答えに近い質問や突拍子もない発言をして怪しまれてしまう人、そもそも周りにインサイダーだとバレるほど分かりやすくて素直な人など。今回インサイダーを担当したのは如恵留くん、松倉くん、しーくん、元太くんの4人だったけど、見事に4人ともゲームの進め方が異なっていて面白い。予め知っているクイズの答えに正解することで得られる、ほぼ手持ちのような1ポイントを手堅く取るのか、全員を欺いて2ポイントを奪うのか、それとも庶民に紛れて自分も正解しつつインサイダーだとバレずに3ポイント取るのか。インサイダーは自らの正体に気付かれずにゲームの主導権を握らなければいけないため、どうやってゲームを展開させていくのか、自分の思うように周りを動かせるかどうか、手腕が試されるという訳らしいです。
そう見ると、インサイダーの4人のバラバラなコミュニケーションがとても興味深く思えて、何度も何度も繰り返し見てしまいます。

 

ただ、調べた所本来のルールでは「インサイダーを含む庶民のうち誰もクイズに正解できない場合、全員が負けとなる」だそうで、そもそも誰かが正解しないとインサイダーを当てる推理パートに移行できないんだそうです。(確かTravis Japanのはオリジナルルールっていう表記がありましたね。)

なので、本来のルールに則ってゲームを進めていくなら、インサイダーは誰にもヒントを与えず、誰も正解させない、というのは出来ないそうで、必ず庶民を正解に導くか、自然な流れで自分が正解するしかない。これを如何にうまくやってのけて尚且つ、自分がインサイダーだと悟られないかっていうところがポイントだそうです。多分今回は誰も正解しない状態だと推理パートに進まないので…という配慮があってのオリジナルルールだったのかなーと。一度本来のルールでも、今回の4人がどんな風にインサイダーをやるのか、見てみたいなあと思いました。

 

もう一つ、マスターからの視点でゲームを見るのも面白いなと思ったのですが。なんとなくこのゲームってインサイダーが自分の正体もクイズの答えも知っているから有利なように見えて、マスターも同じくらい有利な立場なんですよね。インサイダーの正体を当てるという点では庶民とマスターは同じ立場ではあるけれど、マスターはクイズの答えを知っているという違いがある。質問ターンでは、マスターはクイズの答えを知った状態で全員の質問の流れや場の空気を見渡すことができる、他の人より一段高い場所にいて、不自然な発言や、一人一人の表情を誰よりも観察できる。庶民はインサイダーを探しながらも、まずはクイズの答えを当てないといけないので、マスターほどの十分な観察はできない。なので、インサイダー探しの推理ターンに突入した時のマスターの発言って、実はものすごく重要だったりするんだそうです。今度はマスターに視点を当てて見てみよう。(でももう書き疲れたから今回はやめときます…)

 

 

Travis Japanがやるなら簡単なカードゲームですら面白そうですよね。普通にババ抜きやって欲しいです。めちゃくちゃ盛り上がりそう。

 

 

 

以上!Travis インサイダーJapanでしたー!