今夜君とダンスを

アイドルはいつだって天才だ

2020年8月に思い出をくれた7人へ

8月の配信続きで後回しになっていた仕事に忙殺され、数億年ぶりに速度制限を迎え、Wi-Fiを探し求めようやく『Travis Japan【緊急企画】「Summer Paradise 2020」ウラ側見せます!」(https://youtu.be/VckoxrDkXx4)を見る事が出来た。遅い。すみません。30分近くの裏側映像が無料で見られるの本当にすごい。良いんですかこれ無料で。お金払わせて欲しい。

いや〜。何だか、今更ながらサマパラ振り返りたい。8月が終わるまでにこの文章を提出できれば夏休みの宿題の如くセーフかなと思い、殆どの人が感想を言い終わったであろうこのタイミングでのそのそと筆を取ったのであった。これまた遅い。

 

 

Summer Paradise 2020 俺担ヨシヨシ 自担推し推し 緊急特別魂。Travis Japanのソロ21公演。


如恵留くんは王道中の王道。キラキラした一つのショーを見ているみたいで、如恵留くんの人生という大きな本棚を眺めているような気持ちになった。これは全ての始まりで、これはお世話になった人達で、これは永遠の憧れで、これは今の自分で、これは目指してる夢で。って。一冊ずつ、一曲ずつ、決して背伸びしていない如恵留くんが丁寧にページをめくって教えてくれる「今の川島如恵留」という本が新たに本棚に加わったんだなと思った。

 
うみちゃんは構成力の至高。選曲から曲順から演出に至るまで、まさにジャニーズファンに長年身を置いている人が唸るようなポイントの押さえ方。持っている引き出しが多いからこそ、そこから今の自分を過小でもなく過大でもなく等身大に見せてくれる曲が選べるし、それを表現し切ってしまえる手も沢山持っている。見てきたものや吸収してきたものがとにかく多くて、でもそれが散らからずにまとまってしまうのは、その演出力を持ってしてなんだなあと天を仰ぎまくる夏だった。

 
元太くんは呼吸をも忘れるディナーショー。静かに息を吸って胸に手を当てて「星の」と歌い始めた時に空気が揺れて心臓が震えたのを覚えている。歌いたい曲、やりたい演出、見せたいものに忠実に構成されたセットリストに余計な装飾や味付けは一切必要なくて、シンプルに松田元太というアイドルそのものの味や優しい気持ちが伝わるようだった。いつも元気な姿の裏側に、元太くんのやりたかった事はきちんと存在しているんだと、太陽の裏に隠れていたLast Danceの月を見て思った。


しめちゃんは自己プロデュース力の塊。自分が一番可愛く見えるもの、かっこよく見えるもの、ちゃんと理解していて、それを伝える方法も分かってる。自己理解を極めていないと出来ない事だし、しめちゃんのセットリストが凄いのは、前菜・メイン・デザート…とかの起承転結ではなくて、メイン、デザート、メイン、デザート、メインみたいに常に「ここが最高潮」が初めから終わりまでずっと続く所。でもそれが決してバランスを崩している訳ではなくて、「らしさ」として存在していた。

 
しーくんは安心感と安定感の底無し沼。ジャニーズJr.でも何でもない人間に「この人のバックにつきたい」と言わしめるんだから、Jr.はもっと思っているかもしれない。そう思わせるのは優しいからとか楽しいからとかそんな浅い事じゃなくて、この人の技術から何かを盗みたいとか、不安や緊張も否定せずに包み込んでくれる包容力があるからなんだろうな。最後の挨拶で「今まで色んな人から叱って頂いた」「支えられてばっかりだけど自分も支えられるように」と話していたけれど、この公演でしーくんの支える力の大きさを知った。

 
松倉くんは独創性と一貫性の両立。ここ二つを同時に保つのは恐らくとても難しいことだと思うんだけど、一見独特な世界観での構成なのに、オープニングや繋ぎの映像があったり、選曲のメッセージ性が一貫していることで不思議と散らかっていない。バラバラなはずの曲のピースがきちんと松倉海斗という外枠に沿って綺麗にハマっていくのが見ていて気持ちいいコンサートだった。やりたいと思った事を頭の中からそのままの形で実行できる強さは、ブレない芯の強さ故なんだな。8月8日の思い出を新たに更新してくれたのが松倉くんの作るサマパラで良かったなと思う。如恵留くんの涙が全てだった。

 
ちゃかちゃんは過去と未来の交点。今まで進んできた道もこれから進んでいく道も、今まで出会ってきた人もこれから出会うであろう人もみんな抱き締めてくれるみたいなセットリストだった。初めから終わりまでずっと「やっぱりこの人がセンターなTravis Japanは強いな」と思っていたけれど、ちゃかちゃんの強さはパフォーマンス力だけじゃなくて、人の痛みが分かるとか、辛かった事をなかったことにしないとか、弱くても良い事を知っているとか、そういう「人としての強さ」も重なっているから好きなんだろうな。「ちゃかってすごいな」「センター良いなあ」の言葉に威張る訳でも苦労を語る訳でもなく「フォーメーションが変わらないのは楽ではある」とか謙遜して茶化してしまう。そんな人が「僕にはTravis Japanが全てです」なんて言う。センターに立つ人には、0番に居るだけで場をまとめる人、自然と観る人の目を奪う天性の人、全員からの信頼を得て全員を信頼している人と色々いるけど、ちゃかちゃんは全部当てはまるし、そして、誰よりもTravis Japanの真ん中にいて欲しいと皆から願われる人なんだ。

 
Travis Japanはソロ公演をやったかもしれないけど、一人一人の公演には必ずどこかにTravis Japanが存在していて、グループで得たこと感じたことありきでこの21公演が存在してるんだなと強く感じた。

出演しないのに激励訪問に来て、髪の毛セットも手伝って、終演してすぐに楽屋で感想を聞いて、泣きながら抱きついて、落ち込んでたら慰めて。最後の21公演目、ステージに一人で立つちゃかちゃんの所に6人が向かう時、うみちゃんがこぼした「迎えに行くか」。どれも暖かくて大切にしたい、2020年の夏の出来事。

7人とも「Travis Japanの」とわざわざ言わなくても、ちゃんとそうなんだと伝わる公演だった。みんな得意なことも、やりたいことも違うけど、それが集まった時、それは大きな武器になる。一人一人の事をもっと大好きになった夏は、Travis Japanの事ももっともっと大好きになった夏だった。

 
Travis Japanは足し算じゃなくて掛け算のグループだから、きっとこの夏を経て、これから7倍の何かが生まれる。そう予見させてくれる、7日間だったと思う。7日間はあっという間だったけれど、それ以上に沢山の気持ちをもらった。だからどうかこれから、それを少しずつでも返していけたらいいなと思う。コンサートはなくなり、配信に切り替わり、タレントの、ファンの、スタッフさんの健康を守る代わりに色々な事が変わった。様々な順応を余儀なくされる中で、どんな事があってもTravis Japanが望むエンタメが、いつか訪れる再開の時まで、誠実な形で叶い続けて欲しいと切に願う。


「2020年の夏があったから」。

乗り越えられたね。また顔を合わせて笑えるようになったね。大切な友達と会えるようになったね。また、コンサートを観に行ける日が来たね。あの歌、あのダンス、あの演出最高だったと言い合えるね。

そう思える、これからに出来るよう。私は自分にできる事を、大切な人のために続けていきます。

 
そう思わせてくれた、この夏をくれた、Travis JapanのSummer Paradiseに最大限の敬意を込めて。お疲れ様でした。本当に本当に、楽しい夏だったよ。

 

 

2020年8月。どこかに書き残したかった、小さな感想文でした。