今夜君とダンスを

アイドルはいつだって天才だ

Travis Japanのワンナイト人狼を振り返る

12月3日更新のTravis Japan YouTube「ワンナイト人狼」を公開直後から死ぬほど見ています。

 
人狼基本ルールのおさらい】

村の中に人を喰う「人狼」が紛れ込んでいる。村人たちは1日1回、人狼かもしれないと思った怪しい人物を1人だけ処刑できる。処刑した人物が見事人狼であればそこで人喰いは止められるが、推理が外れ処刑した人物がただの村人であれば、またその夜1人人狼に喰われて犠牲になる。村人全員が人狼に喰われる前に、人狼を処刑できれば村人陣営の勝利。

 
【今回のルールと役職】

今回は、通常何回か行われる処刑がたった1回のみ。つまり村人達はその1回で村人の中に隠れる人狼を当てなければいけない。カードは村人5枚、人狼2枚、占い師1枚、怪盗1枚の全9枚。その内7枚のみが配られ、2枚は残される。

◼️村人→村の約半数を占める。何の能力も持たない。

◼️人狼→村人を喰う。全員に配られた7枚のうち2枚ともに人狼が含まれていたら、人狼同士は仲間を知る事ができる。(協力が可能)

◼️占い師→怪しいと思った人物の正体を1人だけ、もしくは、配られなかった残りの2枚のカードを見る(占う)事ができる。

◼️怪盗→相手が気付かない状態で、自分と相手のカードを交換(役職を盗む)事ができる。仮に相手が人狼であれば、交換後は交換相手は村人になる。

 
通常であれば何回(何夜)か時間をかけて村人の中に隠れている人狼を探すものですが、今回は「ワンナイト」(1夜きり=1回きり)という縛り付き。この人が怪しいから試しに処刑、違ったから次はこの人を処刑、は出来ません。人狼を見定める機会はたった1回なので、誰かを嵌めてみる事も、駆け引きを行う事も不可。自分を処刑されない為に村人やその他の役職に紛れながら演技をし続ける人狼をどうやって推理するのかが鍵です。今回の記事では、人狼や他の役職の答えを先に提示しながら、Travis Japanの駆け引きや心理戦を追いかけたいと思います。では第1ゲームから。(以下ネタバレを含みます。未視聴の方は注意して下さい。)名前敬称略。

 

 

【第1ゲーム】

最初に配られた役職は以下の通り。

◼️村人:中村、吉澤、松倉

◼️人狼:川島、宮近

◼️占い師:松田

◼️怪盗:七五三掛

①それぞれの役回りと動ける可能性

カードが配られた時、人狼は仲間(自分以外の人狼)を知る事が出来るので、ここで川島宮近間には無言の協定が結ばれます。協力せず個人プレーという事も出来ますが、処刑が1回しかない今回のゲームでは下手な動きはせずに大人しく村人に紛れた方が得策です。自分に口裏を合わせてくれる仲間が居るなら、利用しない手はないでしょう。

怪盗であるしめちゃんは、ここで誰か1人とだけ、その人に気付かれずに役職カードを交換出来ます。自分が人狼と睨んだ人物と交換してみる事も一つです。仮にその相手が本当に人狼であった場合、相手は自分が人狼ではなくなった(役職を怪盗に交換された)事にも気づかず、もう1人居るかもしれない仲間の人狼とうまく口裏を合わせているかもしれないため、言動を読むチャンスです。また、交換相手が占い師であった場合、その相手の言動は恐らく全て正しいものとして信じる事が出来ます。交換相手が村人であった場合はあまり判断材料にはなりませんが、人狼の候補から1人消えた事になります。

占い師の元太くんは誰か1人の役職だけを占う(見る)か、配られなかった役職2つを確認する事が出来ます。怪盗のしめちゃんと同様、相手の本当の役職を知る事が出来るか、配られなかった2枚のカードから、残りの7枚を推理する事も出来ます。人狼2枚ともが配られていなければ、7人の中に人狼は存在しない事になり村人陣営しか居ないので、占い師として本当の事を言えば良いだけです(信じてもらえるかは別として)。ただ、配られなかったカード2枚ともが村人だった場合、7人の中で占い師である自分を除いて6人中2人、3分の1が人狼という事になります。人狼がこの中にいる、という事を知る事も大きいですが、それ以降誰がどの役職かを知る手立てはないので、これもまた一長一短です。

②各役職の駆け引き

まずは全員の役職を把握していかないと推理に入れないのですが、ここで本当の事を言っても良し、嘘を言っても良しです。怪盗で名乗り出たのは、実際は人狼であるちゃかちゃん。この時点で、同じく人狼の如恵留くんには、ちゃかちゃんを「怪盗」として仕立て上げる為に口裏を合わせる義務が発生します。「じゃあ怪盗なんだろうねきっと」と周囲への植え付けが早い。しかしここで本物の怪盗のしめちゃんは、これが嘘であることに気づいています。その上で「(怪盗だったら)誰(の役職)を盗ったの?」とカマをかけています。みんなが騙されない為に早々に自分が怪盗である事をネタばらしする事も出来るのに、判断材料や人狼の仲間を見定める為の質問。冷静です。でもここではあまりに判断材料が少ないので動けません。(しめちゃんにとって、ちゃかちゃんが本当は怪盗ではない事しか情報がない。)

転じて占い師で名乗り出た元太くん。素直です。配られなかった2枚のカードを見て、人狼が含まれていなかったのでこの7人の中に人狼がいると。素直。誰も騙す事なく得た情報をちゃんと皆に与えています。この元太くんの情報を踏まえたしめちゃんから見て、7人の中に人狼が2人いると仮定して怪盗である自分、占い師である元太くん、自分が役職を盗んで元々村人である事を知っている松倉くんを除くと、人狼候補は残りの4人です。多いようにも見えますが、怪盗と占い師以外では村人と人狼しか役職がありません。何の能力を持たない村人は素直に村人である事を周りに公言する事でしか、他の人に人狼候補を示す事は出来ないので、ただただ推理を混乱させるだけの嘘をつくメリットはどこにも無いのです。つまり、しめちゃんから見て人狼候補はこの時点でのえちゃかである事は明白となります。「俺はこの2人が人狼である可能性が高いなって」。ご名答です。ちゃかちゃんが本当の怪盗ではないと断言出来るのはしめちゃんだけです。

ここで凄いのが如恵留くん。しめちゃんの疑いの目が自分とちゃかちゃんに向いている事に対して「しめの目線からしたら、しめが怪盗で、村人は(松倉で)確定して、占い師が言ってる事も合ってるからまあ元太もね。で、ちゃかだけ怪しいと。」ここ。ここなんですよね。これ一見して如恵留くんが人狼の疑いをちゃかちゃんに擦りつけて自分は逃げたようにも見えるんですが、そうじゃない。先述したように1回きりの処刑しかない中で、人狼にとって個人プレーは損でしかないんです。人狼を1人でも当てられてしまったら人狼2人まとめて負けになるので、仲間を売る事は利益にはなりません。だからこそ、のえちゃかが協力しているんじゃないかと睨んでいるしめちゃんに「ちゃかが怪しいと思ったの?」と言うように仕向ける事で、「ここは協力していないよ」「仲間でもないから怪しんでくれていいよ」と提示しているのでは。川島さん策士過ぎません?

人狼サイドの方向転換

そしてもう1人の人狼ちゃかちゃんは、本物の怪盗しめちゃんの前で「如恵留のカードを取ったら占い師だった」と明言します。この時点でのえちゃかの作戦は、しめちゃんから「人狼の疑いの目を背ける」事ではなく「他の村人を騙す」方向へ大きく転換を見せます。恐らくちゃかちゃんはしめちゃんが本物の怪盗である事に気づいているので、本物の怪盗にこれ以上無意味な芝居をかけたりしません。処刑する人は多数決で決まるので、それなら、人狼や怪盗や占い師の正体を見定められていなさそうな他の人をターゲットに芝居を打った方が早いからです。それに瞬時に乗ったのが如恵留くん。「俺はそれ(自分が間違いなく占い師である事)を知ってたからこの話(怪盗であるちゃかちゃんが自分と役職を交換した事)を(間違い無いなと)聞いてた訳で」と追撃します。

ここでずっとフラットでいてくれたのはうみちゃんでした。「じゃあ如恵留くんは(占いで)何を見たの?」。元太くんが占い師である確率も如恵留くんが占い師である確率も半々で見ててくれるんだろうな〜と思えて、これぞ理想の村人像でした。平等に疑い、平等に信じてくれる。

④如恵留くんの綻び

これに対して如恵留くんの答え、非常にテンパっているんですよね。如恵留くんが「ピンポイントで人狼が当たってるんで」と笑った瞬間誰を人狼にするかめちゃくちゃ考えてません?「この人が人狼だった」と提示したのは松倉くん。如恵留くんが唱えたのは、怪盗であるしめちゃんが人狼の松倉くんと役職を交換して、しめちゃんは自分が人狼になった事をバレたくないから松倉くんの役職は「村人」であったと言っている説。これ所々綻びがある説です。しめちゃんを人狼に仕立て上げようとしている如恵留くんですが、この説が正しいとするとしめちゃんを怪盗と認めている事になり、同時にちゃかちゃんの怪盗説を否定している。つまり怪盗のはずであったちゃかちゃんの発言である「如恵留は占い師だった」という説すら揺らいでしまうのでは。ここ如恵留くん墓穴掘ったんじゃないかな?と思う唯一の綻びでした。でもここでその綻びを強行突破していく如恵留くん。元太くんが周りのボロを期待して占い師であることを本当!と言ったり嘘!と言ったりグラグラだったのをうまく利用して「だとしたら俺目線から見ると元太と松倉が人狼なのよ」「占い師として人狼としか見えてないからそう推測するしか無い」と押し切る。前半めちゃくちゃスマートなやり口だったのに、後半割と力技で押し切った如恵留くん、人間らしいなあと思いました。

 

 

【第2ゲーム】

配られた役職は以下の通り。

◼️村人:松倉、吉澤、七五三掛、中村

◼️人狼:宮近

◼️占い師:松田

◼️怪盗:川島

①名乗り出る役職、出ない役職

今回も素直に占い師だと名乗り出た元太くんと、怪盗で名乗り出なかった如恵留くん。如恵留くんが名乗り出ないのも当たり前で、如恵留くんが盗んだのはちゃかちゃんの「人狼」なんですよね。自分が怪盗だと名乗り出れば、怪盗は誰の役職を盗んでそれは何だったのか当然聞かれます。自分はすでに人狼で、交換相手はいつの間にか役職カードが怪盗にすり替えられている事にも気付かず、自分の代わりに人狼としての役割を果たしてくれます。こんな楽な事はありません。怪盗として名乗り出て嘘の証言をする事も勿論出来ると思いますが、結果として誰かかから反論されたりする事を考えると、リスクヘッジを考慮しても黙っている方が得なはずです。だからこそ如恵留くんが手にした「怪盗」からの「人狼への交換」というルートは黙っていれば最強カードになる訳です。それと、本当にここはしめちゃんと元太くんの指摘した通りで、本来であれば人狼探しの役に立つはずの怪盗として誰も名乗り出ないという事は、ほぼ怪盗が人狼と役職を交換しているはずです。占い師の元太くんが見た、配られていなかったカードが「人狼1枚」「村人1枚」だったという事から、7人へ配られた役職の中で人狼は1枚だけです。だからこそ人狼は名乗り出るべきでした。(この説が正しければ、もう人狼の人は怪盗に変わっている為。)

②捨て切れない可能性について

ここまで占い師以外の役職が出てこないと情報が足りないので、占い師を疑わざるを得なくなってきます。しめちゃんの推理はずっと必要なタイミングで必要な方向に向かって伸びていたなという印象でした。確かに結果として占い師が本当に元太くんだったという事を知っているから、人狼はあの時名乗り出た方が良かったと言えるだけであって、元太くんが嘘をついている可能性だって十分にありました。占い師の元太くんが言った「人狼1枚、村人1枚が配られていなかった」が嘘だとしたら、しめちゃんが指摘した通り「占い師1枚、人狼1枚が残っていた」としたら、元太くんは怪盗として誰かの人狼と役職を交換して、占い師かのように名乗り出ていた可能性もあります。ただこの場合、別の誰かが本物の占い師として名乗り出るはずなので、どこかで矛盾が生じるはずです。(となるとやっぱり元太くんが嘘をついていた可能性はとても低い。)

最後までちゃかちゃんが人狼でしたと名乗り出なかったのも、怪盗が自分の役職を本当にすり替えていたという確証が得られなかったからでは。大いに可能性として高いというだけであり、元太くんが占い師である事も不確実な中で、人狼として名乗り出る判断をするのは難しかったんじゃないかなと思います。如恵留くんが言う通り、あそこでちゃかちゃんが人狼でしたと名乗り出たとしても、怪盗(如恵留くん)が名乗り出ない限り、先に占い師として名乗り出た元太くんを除いて5人から怪盗絞るのはやはり難しい話です。

 

 

【第3ゲーム】

配られた役職は以下の通り。

◼️村人:宮近、松倉、吉澤、中村

◼️人狼:松田、七五三掛

◼️占い師:なし

◼️怪盗:川島

第3ゲームはまさかの占い師なしのターン。嘘をつくメリットもないので、人狼探しの役に立ちやすい占い師が居ないゲームは難航を極めそうですが。

①占い師が2人いる事について

第3ゲームは占い師は不在であるはずなのに結果的に2人(吉澤松田)も名乗り出てしまいます。元太くんは自らが人狼である事を隠す為に、占った結果、配られていなかった2枚が人狼だったのでここは平和村である、誰も人狼ではないという事を主張したいという明確な目的があります。そして占い師ではないのに2人もの結果を当てた事で松倉くんとしめちゃんからの信頼を一瞬買いかけたしーくん。でもそのしーくんが占い師を偽っていると疑われる理由は分かるんですよ。主張がコロコロ変わってしまったからというのは理由として納得できるものなんですけど、元太くんに関しては第1ゲームも第2ゲームも占い師として本当の事を話していたという実績もあり松倉くん以外の人はほぼ疑っていない(如恵留くんを除いてまだ元太くんが人狼だと確証を得ていない感じ。)松倉くんが元太くんを人狼だと判断した嗅覚すごくないですか。動物的本能かな。

②如恵留くんを怪盗にしてはいけない

今回は素直に怪盗として名乗り出た如恵留くん、その結果もうみちゃんが普通の村人だった事を教えてくれた…と思っていたのはゲームの結果が分かる所まででした。通常怪盗は村人陣営なので、自分が人狼になり変わらない限りは村人に有益な情報は流してくれますが、第2ゲームのように怪盗が人狼になっていたら本当の事は教えてくれません。これは推測の域を出ませんが、どのゲームも座り位置的に右端の如恵留くんから役職カードを選んでるんですよね。で、まあ怪盗を引き当てるのはただただ強運から来るものだと思うんですが、自分がカードを引いた後、あえて人狼を引いていそうな人を観察しているとしたら?自分の役職が分かった時のメンバーの些細な反応を1人ずつ見る余裕があるのは、すでにカードを引き終わっている人だけです。如恵留くんは自分が怪盗である事を把握した後、他のメンバーの反応を伺ってあえて人狼を選んでいそうな人から人狼を奪い、カモフラージュとして村人を選んでいそうな人から役職を盗ったと公言し、反論がなければ「ほぼ勝ったも同然」です。全員を騙して人狼の役職を手に入れることが出来ます。傍目には自分は村人と役職を交換した怪盗なので、人狼として処刑される事もありません。それを全て分かった上での処刑者決定前のセリフ「平和だったら面白いね」。怖いです。参りました。

それと、如恵留くんが第3ゲームでキレッキレだなと思ったのが、もう1人の人狼である元太くんの探し方なんですよね。如恵留くんは怪盗としてしめちゃんの役職を盗っているので、しめちゃんが人狼だったという事は分かっています。もう1人の人狼が居るのか、居ないのか。他のメンバーから決定的な情報を得られない中、元太くんが占い師として挙手をして「下2枚(配られなかった2枚)が人狼だった」と言います。まず自分が役職を盗ったしめちゃんが人狼だった為、この発言は嘘になります。村人陣営にとって人狼の正体を隠すような、不利になる嘘をつくメリットが占い師にはないので、大凡ここで元太くんは占い師ではない事が分かります。では役職は何か?怪盗は自分の元役職なので違う、村人もここまで嘘をつく利点がないので違う。消去法にしても、元太くんが残りの人狼である事が如恵留くんだけに分かるという訳です。天才。

 

 

 

 

 


以上ワンナイト人狼の振り返りでした〜!

(Travis Japan、やっぱり地頭良いよね)