今夜君とダンスを

アイドルはいつだって天才だ

Travis JapanのIMAGE NATIONを見て欲しいというだけの話

来たる2021年7月16日。

 
延期に延期を重ね、3月からようやく始まった今回の全国ツアー「Travis Japan Live tour 2021 IMAGE NATION〜全国ツアーしちゃってもいいですかっ!?〜」が北海道でラストを迎えます。全国沢山の土地を7人で駆け抜け、沢山の思い出を残し、今のTravis Japanが詰まったこの約5ヶ月。その公演のラストを生配信で見る事ができます。18時からの2時間10分ほどの公演、価格はジャニーズJr.情報局会員4000円、ジャニーズファミリークラブ会員4500円、一般5000円。え?高い?じゃあ、こうしましょう。この記事を最後まで読んだ人の中で、「これお安いのでは…?」と思えた人の勝ち。これでどうですか?私も負けるつもりはないので。良い勝負しましょう。

 (セットリストに触れていますので完全ネタバレNGな方はご遠慮ください)

 

 


まずこのコンサート最大の特徴と言っても過言ではないのがコンサートタイトル「IMAGE(想像)NATION(国家)」からも来ている「7つの王国」というコンセプト。

Moon(月の国・松田)、Shine(太陽の国・松倉)、Passion(情熱の国・宮近)、Smile(笑顔の国・吉澤)、Innocent(美の国・川島)、Nature(自然の国・中村)、Love(愛の国・七五三掛)の7つ。そしてさらに凄いのが、メンバー人数分の別々のコンセプトを用意して順番に披露し合うという単純明快なものではなく、7つの王国が今までどのように交わり歩んできたのか、そしてこの先どのように交わっていくのか、その変化の歴史を、一つのコンサートに落とし込んだストーリー仕立てになっているという点です。

緞帳が上がり、コンサートは円形に並べられた7つの机の外側で行われている首脳会談のような場面から始まります。深刻な面持ちで7人の国王は議論を交わしていますが、国同士の方向性が異なるためか、話し合いは平行線を辿る一方。1曲目の振り付けの中に、激しく机を叩きつける動きが組み込まれており、歌いながらでも議論が白熱している様が見て取れます。7つの王国が、そのコンセプトの違いから交わる事、お互いを認める事が出来ていない。これがこのコンサートの始まりです。

 
では、一つずつの国に着目していきましょう。トップバッターの元太くんは大人っぽい雰囲気の3曲で構成された『Moon』、月の国を担当しています。全員で披露するのは、昨年の虎者の配信や、少年倶楽部でも披露された事が記憶に新しい、ジャズ調にアレンジされた「Happy Groovy」と、堂本光一くんのソロ曲である、「INTERACTIONAL」。

Happy Groovyジャズアレンジver.は披露されればされるほど全員の熟練度が上がっていると感じる一曲。薄暗くて大人っぽいバーに佇むようなお洒落さと、どこかドキドキする高揚感を共存させたパフォーマンス。見ているだけで身体が疼き、手拍子をせずには居られないことを保証します。ハットを脱ぎ一礼して、7つの箱の中に入り、「INTERACTIONAL」へ。序盤では歌っている人以外は静止する演出、パフォーマンスを際立たせる照明、洗練されたダンス、高音もブレる事のない歌唱力。どこを切り取っても至高。Travis Japanが披露する「INTERACTIONAL」、これは絶対に見た方が良いです。見ないときっと後悔します。

そして、元太くんが唯一ソロで歌うのが「LastDance」。直前まで激しく踊っていたため、静かに息を整える姿が印象的です。深呼吸を一つ。イントロが鳴り、一度踊り始めると、会場の空気が澄み渡るような感覚に包まれます。まるで氷の上を滑っているかのような軽やかさと滑らかさなのに重力もある、この相容れないはずの両者を感じられるダンス。何よりも、最後に音が消え、アカペラで歌い上げる大サビは圧巻。歌が上手いとか、そういう次元の話ではなくて、もっともっと心の奥底に訴えかけてくる。心臓を掴んで揺さぶられている。青い光が揺れる中、声を張り上げて歌う。力強いのに、どこか崩れそうな弱さも感じる。そういう温度のある感情が伝わる歌声というのは、そう簡単に出会えるものではないと思っています。見た者を骨抜きにする事は断言できる、そんな1つ目の国『Moon』の話。


月は沈むと、必ず太陽が登る。2つ目の国は松倉くんの『Shine』、太陽の国。自身が作詞作曲した「手と手」。アコースティックギター1本だけを抱えて歌い上げるその曲は、どこか懐かしくて、暖かくて、大切なものを思い出させてくれるようです。そんな想いでこの曲を聴いていると、松倉くんのメンバーカラーであるオレンジは誰かの記憶の中に必ず残っている夕日の色だったんだなと思える曲。一人で歌っていた松倉くんに、途中でメンバーが3人ずつ合流して、少しずつ歌声が増えていく点も印象的。ハートフルな曲調なのに、歌詞は1番と2番のサビ頭で韻が踏まれていたりとかなり技巧派な印象。そのギャップにもやられる事間違いなし。

そして、「手と手」に続くのは「アオゾラペダル」。ここでは今回のコンサートグッズとして販売されていたペンライトが使用されています。ペンライトの右ボタンを押していくだけで、先ほどまでオレンジだったペンライトが、Travis Japanのイメージカラーである紫へ、そして「アオゾラペダル」を順に歌っていくメンバーの色へと一つずつ変化していくという遊び心満載の演出。コンサートを見ながらペンライトの色を次々指示通りに変えるのは至難の技ではあるし、どうしてもカチカチと音が鳴り続ける事が気になるものですが、この演出のためにペンライトの色順を調整していたのか!と思うと、Travis Japanが歌って初めてグッズとして成立する事の凄さを実感します。創意工夫とは、この事だと感動する演出。

今回のアオゾラペダルでもう一つの名物と言えば、松倉くんのアドリブ。コンサート開催地に合わせて飛び出す松倉くんの奇想天外なアドリブと、それを見て爆笑したり崩れ落ちたりするTravis Japanに注目。最後の瞬間まで、メンバーの一挙一動が松倉くんへの愛に溢れた、そんな2つ目の国『Shine』の話。


続いては宮近くんが担当する『Passion』、情熱の国。ステージ中央に佇む宮近くんのパフォーマンス前の挨拶も込みで、この『Passion』という国の世界観は成り立っていることに気付きます。このご時世でコンサートを開催する事が出来ているという奇跡を、延期を何度も経てそれでも完走を諦めなかった熱意を、宮近くんの挨拶から感じ取る事が出来る名文。誰かを好きで居続ける事は、応援し続けられる事は、何かの火を絶やさずに燃やし続けるという事は、決して当たり前の事ではありません。誰かを応援して、好きでいる人に、宮近くんの挨拶を聞いて欲しい。額縁に入れて飾りたいこの言葉を、どうか一言一句逃さず聞いて欲しい。それくらい彼の言葉の力というのは、引力のようなものを持っていると思うのです。

本題のパフォーマンスは「Beat Line」と「GET ALIVE」。Beat Lineは先日の少年倶楽部でも披露されましたが、とにかくフォーメーションが目まぐるしく入れ替わりダンスも激しい楽曲。よくあれだけ動いてそれだけ歌えるな…何故声がブレない…?と改めてTravis Japan体幹の強さを実感します。そして何より曲の終盤で横一列になり踊る姿は圧巻。そのまま間髪入れず始まる「GET ALIVE」は見ているこっちが酸欠になる勢い。それほどまでの熱量が迸る『Passion』の国は宮近くんのあの言葉があるから成り立っているのだと、パフォーマンスを見終わって改めて気付くはず。もしかしたら『Passion』の国のパフォーマンス終わり、一転してステージの真ん中で可愛いものが見られるかもしれないので、目を凝らして頂くことをお勧めします。そんな3つ目の国『Passion』の話。

 
MCを間に挟み、続くのはしーくんが担当する『Smile』、笑顔の国。曲は「Talk it!Make it!」と「CARNIVAL NIGHT Part2」。はっきり言おう。見て。見た方が早い。この記事は「購入を悩んでいる人の背中を押せたら…」という想いで書き始めたものですが、その目的を早々に放棄する勢いでもう一度言います。見た方が早い。絶対に配信を見た方が早い。この2曲、近年において他の追随を許さないレベルでぶっち切りの「多幸感の詰め合わせセット」です。世界中の多幸感を集めてこのステージに持ってきたのか?というレベル。コロナ渦、色々なものが制限され、思うように生活も出来ず苛々が募る毎日ですよね。そんな日々を間違いなく吹き飛ばしてくれる、それがこの2曲。見ている側を巻き込んで行う振り付けコーナーは笑いを禁じ得ません。

特に、CARNIVAL NIGHT part2と言えば掛け声。会場では決して声に出せないレスポンスが、生配信なら出せる。拳を突き上げ、大声を出しても誰にも迷惑がかかりません。これが生配信の嬉しい所。Travis Japanが跳ね回り飛び回り、楽しくキャッキャ踊る『Smile』の国、見ているあなたも気づけば口元が緩んでいるはず。日頃の疲れや鬱憤を、この2曲のパフォーマンスで吹っ飛ばしてみませんか。見終わった後、なんとなく心が軽くなっていたら、それは間違いなくこの国のおかげ。そんな4つ目の国『Smile』の話。

 
後半戦一発目は如恵留くんが担当した『Innocent』、美の国。宮近くんと二人で歌う「Rollng days」と全員で歌う「STAY」の2曲。全く違うベクトルの2曲ですが、きちんと別の意味での「美しさ」をパフォーマンスに組み込んでいる演出力の高さ。ボルドーに近い色味のベルベット生地ロング丈コートにブーツを履いて長い棒を振り回す如恵留くん、あまりにも美し過ぎて、この国のコンセプトを早速一人で担ってしまっている。絵になり過ぎて、どこかの美術館の彫刻を見ているのか…?という気分になる程のものです。そこにとんでもない宮近くんが登場するものだから、もうRollng daysも配信を見た方が早いんじゃないかなと思います。ちなみにこちらのRollng days、衣装担当は如恵留くんですので、そのあたり頭に入れて頂いた上でご視聴頂けるとより楽しめるんじゃないでしょうか。

もう一つはSMAPの「STAY」。これも名曲です。「僕らずっと共に生きよう」「永遠なんて言わないからさ 鼓動止む その時まで」「たったの50年 一緒に」。玉虫色の衣装で、7人が顔を見合わせて、にこにこと笑い合いながら歌うこの歌詞は胸に刺さるものがあり過ぎて涙なしには見られません。たったの50年。言うは易しです。実際は、50年一緒にいる事がどれだけ尊く、どれだけ難しいことか。恐らく、Travis Japan自身がその事を一番よく分かっているのだと思います。それでも、今この歌詞を歌っているその気持ちに何の偽りも誤魔化しもないんだなって、7人の顔を見ていたら思うんです。誰も約束なんて出来ない永遠に対して「美しさ」を見出してくれた如恵留くんを、その永遠に立ち向かおうとするTravis Japanを、どうか生配信で見て下さい。タオル必須です。そんな5つ目の国『Innocent』の話。


続いてはうみちゃんが担当した『Nature』、自然の国。この国で歌ったのは全員での「Water Drop」と大野くんソロ曲の「Rain」。Water Dropは椅子、傘、手袋と今までのステージ演出で使用されてきた事がある小道具が集められていて、魅せ方がかなり練られています。小道具こそ多いのですが、視点が散らかることなくダンスやパフォーマンスがよく映える、まとまったステージングになっている所が凄い。個人的に解釈の余白がある上で気になった点は、本家である関ジャニ∞さんはこの曲をコンサートで披露した時に同様に手袋や光る衣装を着用していて、研究熱心なうみちゃんなのでここからヒントを得たりもしたのかな…と思っています。オマージュのようなものも感じられて、広く解釈ができる演出の幅があるって素敵だなと。

また、ソロで披露した大野くんの「Rain」については、本っ当〜にうみちゃんの声がよく合っています。こういった湿度の高い曲調には後を引く甘めの歌声が合うのですが、自分に似合う選曲をするセンスが流石。選曲のセンスは、自分に合う合わない関係なくやりたい曲、やって欲しいという声が多い曲、自分の声やダンスと相性が良い曲の中からの兼ね合いだと思うんですが、この辺のバランスの取り方がうみちゃんはとてつもなく上手い。細やかなダンスとライティング、バックスクリーンの使い方も観る側の視点をくるくると変えさせて飽きが来ないような演出をしているんだな…と驚くことばかりです。このステージング力を是非一度は見て欲しい。そんな6つ目の国『Nature』の話。


最後はしめちゃんが担当した『Love』、愛の国。しめしずが共に構成演出を担当した「星に願いを」は、サマパラ配信でもそれぞれがやっていたものですが、お互いソロでの演出でした。それが今回は共作。あの夏、相手が居るはずの場所を照らしていた黄色とピンクのスポットライトは、この公演できちんとお互いの足元を照らしています。やっと完成した「星に願いを」は、お互いの姿が見えるようになったからこそラストの悲しさも倍増する演出。特にこの曲の振り付けこそがストーリーテラーの役割を担っているので、潮の満ち引きのように絶対に触れ合うことのない2人を表していて至高です。

もう一つは「White Love」。みんな大好きホワラ。多幸感詰め合わせその2です。白の虎者ジャケットにメンバーカラーの淡い色のリボンを巻いたステッキを持って7人で歌います。これが本当に可愛い。とっても可愛い。4000〜5000円でこんな可愛いものが見られていいんでしょうか…!?後日別料金請求されますか…!?というくらいには可愛いですが追加料金は発生しませんのでご安心下さい。飛び跳ねたり、ステッキで突きあったり、顔くっつけて2本のステッキでハートを作ってみたり。それとこの曲に一番それが言えると思うのですが「目が足りません」。あっちで可愛いことをしてるかと思えば、こっちで別の可愛い事件が起きている。ステッキ交換コント、腹をステッキで突かれたから蹴りで報復、投げチュー、ウインクその他諸々。ステッキでハートを作る場面ではダブルカイト、のえまちゅ、しずげん、しめちゃんの決められない4パターンに視野が別れますので配信は誰が抜かれるか(もしくは引きになるか)賭けてみて下さい。私は松田担なのでしずげんを推しています。全員から真っ直ぐな愛を囁かれる、そんな7つ目の国『Love』の話。

 


7つのコンセプトを辿ったところでもう一度コンサートの始まりへ話題を戻します。7つの王国は対立し、議論も平行線。机の外側にいた7人の国王はそれぞれの国の方向性の違いから互いを理解しようとはしていませんでした。ただ、この7つの国のパフォーマンスを経てどうなったか。

洗練された誠実さの『Moon』、柔らかく暖かい『Shine』、魂が燃えるような『Passion』、誰もが幸せになれる『Smile』、多様な美しさを追求する『Innocent』、穏やかでありのままの『Nature』、そこにあるべき愛の形を教えてくれる『Love』。一見全く違う方向性を示していた7つの国の共通点は何だったのか。コンサートの本編、一番最後の曲がその問いの答えです。その曲こそがこの7つの国を和解へと連れ出す一つの共通認識でした。コンサート序盤で円形に並んだ机の外側、つまり円の外側にいたはずの7つの国は、この曲を経て全員が机の内側、円の内側に初めて飛び込みます。自分達とは全く違う、ずっと分かり合えないと思っていた外側の人達と、その答えを通して、ステージを通して初めて内側で交わろうと決意する。

表現が全く異なる7つの国のパフォーマンスに、唯一共通していた事。『7つの王国』を比喩にしてTravis Japanが辿り着いた表現の終着点とは。それを、是非生配信で、あなたの目で見て欲しいんです。Travis Japanが行き着いた、「表現は多様にあっても良い」「全てはこの概念さえあれば良い」という答えを、最高のパフォーマンスで刮目せよ。

 

Travis Japan Live tour 2021 IMAGE NATION~全国ツアーしちゃってもいいですかっ!?~ | Johnny's net オンライン

Travis Japan Live tour 2021 IMAGE NATION〜全国ツアーしちゃってもいいですかっ!?〜」2021年7月16日(金)18時〜 北海道公演を生配信

 

もう一度言います。様々なコンセプトを詰め込み、組み合わせただけの単純明快なコンサートではありません。一つのコンサートを通して、異なる表現方法であってもパフォーマンスにおいて必ずこの共通認識(本編最後の曲)があると提示していて、Travis Japanがステージの上で大切にしている核に直に触れる事ができます。とても洗練されていて、震えるほど格好良くて、ため息が出るほど美しくて、抱きしめたくなるほど可愛くて、涙が出るくらい暖かくて、ついつい笑ってしまって、身近に感じる感情を与えてくれるのに、どこか遠くに居る高尚さもある。

そんな気持ちになるTravis Japanの初の全国ツアーを、ご自身の目で見てみませんか。見逃し配信はありません。終わってしまってから、やっぱり見ておけば良かった…と死ぬほど後悔するかもしれません。時間に間に合わないからやめておこうかな…という方、途中からでもこの感情の昂りは保証します。あまりジャニーズも、ジャニーズJr.も、Travis Japanも知らないし…という方、今回を是非そのきっかけにしてみて下さい。敷居を高く感じているなら尚更です。少し覗いてみたら、あなたに引っかかるTravis Japanのステージが、必ず一つはあるはずです。


セットリストはこの7つの国をベースに作られているので、曲はこれだけではありません。少しでも気になる方、必ずあなたの心のどこかに刺さるTravis Japanをお約束します。

 

最後にもう一度。

 

Travis Japan Live tour 2021 IMAGE NATION~全国ツアーしちゃってもいいですかっ!?~ | Johnny's net オンライン

Travis Japan Live tour 2021 IMAGE NATION〜全国ツアーしちゃってもいいですかっ!?〜」2021年7月16日(金)18時〜 北海道公演を生配信 ★2021年7月16日(金)18時30分までなら購入することが出来ます。

 f:id:traxvisx9:20210715222330j:image

明日18時発、7つの国行きのチケットを、手にしてみませんか。